地方(いわき)での建築・デザインを取り巻く環境を内側から見てみます。設計事務所の仕事は設計能力よりも日常への洞察と思慮で成り立っていること、図面の余白に書かれた見えないメッセージなどを紹介します。
2007年10月

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2007年10月21日

■研修:益子
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秋の社内研修で栃木県益子町へ行き、ろくろによる陶芸体験の様子。陶芸家濱田庄司邸と所員のろくろに夢中の写真。こういう楽しい体験も設計という仕事には必要だ。12月にはそれぞれの作品が焼きあがってくるそうだ。忘年会で批評し合おう。自分がイメージしたものと、炎という自然の他力が加わった結果がどのくらい違うものになるか、貴重な経験になるだろう。
この他、魯山人の鎌倉の屋敷なども移築復元されており(茨城県笠間市)、心地よい研修の一日だった。世知辛い建築の社会環境の毎日であり、たまにはいい・・。
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写真は途中のショッピングセンターで見た駐車場、一般車両に大型車両のラインがオーバーラップして使っている、賢い事例。参考になる。
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2007年10月16日

■ペットボトルツリー予告編
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ペットボトルツリー試作品。
小さいものが高さ1.8m、大きいものは2.5m。
これが20基、この冬、鹿島街道に並ぶ・・。
手探りで始まった、「リユース」という市民の環境問題に対する意識と誠意をカタチにすることができる・・。
設計・デザインとの関連は?と、言う人にはこう言い返す・・社会への表現、環境への提言、コストとの戦い、不特定な従事者への感謝、美しいカタチの探求、他者とのコミュニティ、創作の喜び・・設計・デザインと何一つ変わることがない、唯一つ、「報酬」が「やらねばならないこと」に変わっているだけだ。
ちなみに、15mの光源LEDは一晩点けっ放しでも1円未満という試算がでた。化学の力に感謝!

2007年10月12日

■まだまだ すてたもんじゃない
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以前に書いたペットボトルツリーの続き。
ネーブルシティがこの冬にツリーをつくるためのペットボトルが集まった。事業所や地域の一般家庭に回覧板などを利用してたった一枚のチラシで呼びかけた結果、1カ月にも満たない期間で、約30000本程度は集まっただろう。写真はネーブルシティの事務所前の集積でこの他ツリー製作作業場にも相当ある。ボトル加工をしているいわきコンピューターカレッジにも相当数ある。
地球環境のCO2削減をテーマに、身近な生活素材を使ったリユース運動を真冬のイベントとして試みた結果である。中には、お年寄りが・・役立つならばと・・数本持ってこられた方もいる。
当初、数が集まるか不安だったが、危惧であった。人集めのイベントでもないので、趣旨が伝わるか心配もしたがそれも無用であった。私たちが思う以上に市民は環境問題に敏感で何かしら貢献したいと思っているのだ・・。無為のこの市民の行動と意識に感謝するとともに緊張がはしる。多分、見えない人たちのこころの部分に触れたからだろう。

人の気持ちは、まだまだ すてたもんじゃない・・今夜の酒は深みがある・・。

追記:今日、アメリカ元副大統領アル・ゴア氏の「不都合な真実」などCO2削減啓発活動が評価されノーベル平和賞を受けた。誰に云うわけでもないが・・「それ見ろ!、今やるべきことを解かったか!」・・。

2007年10月06日

■常識論では見えないもの
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この写真は最近竣工した会津学鳳高校の工事中の写真。(今、美しいその容姿が会津若松の千石通りに望むことができる。このような思想のある建築で学ぶことができる生徒は幸せだと思う。)
設計は全国対象のプロポーザル競技で選ばれた原広司氏。我々も当時、プロポーザルに挑戦したが全国版には当然負けた。そして氏の提案書から多くを学び、その後の講演会や公開ミーティングにも出席した。

最近、この建物に様々な風評が起こっている。工事中にも、トイレに石材を採用したら贅沢だ・・と注文が入り、一部の建物は若干高さを違えて建築し改善した。そして竣工したら今度は中を見て、使い勝手の評価が起こっているとのこと・・。
工事の間違いは誠心誠意、よりよく直すしかない・・。しかしそれ以外のことは、なにおかいわんや・・である。トイレに石を張るのは設計者の子供たちの教育に対する建築思想だ。その図面の余白の部分を理解しない横並びの常識論が画一的な学校建築を産み、それから脱皮するために今回のプロポーザルがある。常識論では見えないものがある・・。
使い勝手のことも、何故今、評価するのだろう。今、評価する人は何を基準にできるのか。基準は自身の経験というならばこれもまた自身しか「見ていない」話しなのだ。見えないということは、理解できないということになる。・・そこで学ぶ生徒たちのことも考えて、もう少し思慮をもっていただきたいと思う。「プロポーザル」とは「提案する」ということなのです。提案されているのは、プロポーズを受けているのは、これからそこを使う新しい時代の生徒たちなんですよ!ここのところを誤解してはいけない。プロポーザルで選ばれた設計者を信頼し、生徒たちに任せてみたらいいでしょう。

原氏の設計した京都駅ビルも計画当初は、景観論争があってかなり批評されたと記憶している。今では、ニューヨークのグランドセントラルステーションのような風格すら感じられる、市民に愛される空間になっているではありませんか・・。
私の知る限りでは原氏は、自らの考えと資金で世界の集落を研究し、浄財で世界に数億人といわれる住宅困窮者のための住まいを提案している人である・・。その成果として、[ディスクリート]:個が集団の中にあっても、個の存在を失わず輝くこと・・を唱え、この高校もその建築思想でできている。恐らくその思想は、建物が使われ始めて数年後にこの高校にも表出し、ここで学ぶ21世紀を担ってゆくことになる生徒たちへ図面の深奥にあるメッセージを伝えることだろう・・評価はそれからでよい・・。

2007年10月04日

■リフォーム講座:暗号
10/3、市の依頼で「リフォーム講座」の講師を努めた。今後、高齢者を狙った悪質リフォームが増えることが予想されため、その予防講座。聴講者は中高年層約40名、殆どが女性。
とにかく、有利な条件による即日契約などはあり得ないこと、訪問販売の場合は8日間のクーリングオフ期間は絶対に着工させないこと、できれば設計事務所など第三者に相談すると未然に防げること・・などを重点的にお話しした。そして誰かに頼んでも、やってもらってもよいのでネットを活用することを薦めた。リフォームを検討の方には相当参考になるので下に紹介します。このHPでは、事例紹介(失敗も)や概算予算、バリアフリーリフォームなどは詳細について注意点まで手引きしてくれます。

・リフォーム支援ネット「リフォネット」http://www.refonet.jp/search/index.php
・住宅バリアフリー化情報システム//http://www.refonet.jp/bfree/

さて、講座で話しているうちに高齢者をターゲットにする業界が私たちの業界であることに怒りを感じてきて、思わず予定にない「暗号」のことを話した。確証があるわけではないが、郵便ポストや設備の検診メーター、団地だとパイプシャフトの扉(まれには扉が常時開けられる場合は中にも)に暗号のような英文字や数字の羅列が手書きで書いてあることがある。これは、その家の家族構成や単身かどうかなどを関係者だけが分かり合う符丁だというのだ。いやな話だが身近に、このようなことまで起こっていて自己防衛して下さい・・と、お話しした。(私の娘にも学生時代の東京暮らしのとき同じことがあって、その暗号を消したら訪問販売が止まった経験がある・・)
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これは当社のポストに書かれた「M」という文字。たった一文字、何年も前からある。符丁かどうかもわからない。中年という意味か、男がいるという意味か、中流という意味か、・・新聞は「毎日」ではないし・・ま、とにかく今のところ何も起こってはいない。そのうち、「地震・雷・火事・親父」とでも書き変えてやろう・・。

2007年10月03日

■建築と色彩
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過去に書いた船戸団地の外装カラーの、現場での現物サンプル確認。曖昧な三色があるがそれぞれ微妙に違う。この微妙な差が大きい面積になるとかなり違った印象になる。しかも、小さいカタログで室内条件の下で決めたものは太陽光では全く違うことが多い。太陽の照度の力は人口の色彩を殆どの場合白くハレーションさせてしまう。しかも夕方や朝は今度は赤っぽくさせる。・・そういったことを考えながら、さらに経年変化も頭に入れながら、じっと現場でサンプルと向き合う・・。

小さい緑色のサンプルはポイントに用いるカラーで、これも左右で微妙に違う。相が良いのは右に見えるが現場では左の明るい方を採用した。ここが建築とファッションの違いで、ファッションなら右で良いのだが建築はそうではない。これは経験としかいいようが無い。

大きい現場だからこういったことをするのではない。住宅でもリフォームでも同じことをする。塗装もタイルも、サイディングでも。
ユーザーは設計者がそれに気づかなかったら、どんどん要求していいのです。メーカーはどんな場合でも現物サンプルに応じてくれます。設計者や施工者がこんな大事な取り返しのつかないことを嫌がったり、気づかない風だったら・・・。

※酒井晃建築設計事務所さんのブログhttp://moon.ap.teacup.com/akira/から、この始まったばかりのブログにエールをいただきました。ありがとうございます。


2007年10月01日

■頑張れ!里山
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いわき市遠野町の「満月祭」というイベント。小さな里山がこの数年開催している歳時イベント。今年も伺い本部に挨拶をしてそぞろ歩きをしてきた。ご馳走は里山に昇るお月様と道端に並ぶ行灯である。
今年は例年よりも人出が多く、特に若い人達の姿が目立ったように思う。こういうことを大事に思う「こころの時代」の兆しかな・・と、ご馳走になった自然薯焼酎(この地域の開発品)のせいもあって、まるで昔の夏祭りのような程よい暗がりの賑わいに気持ちが弾んだ。・・しかし、この頑張りの反対側に地方都市のコンパクトシティ論がある。

今、地方活性化の切り札のようにコンパクトシティ論が花盛りだ。しかしそれは即物的な効率化の話になっていないか注意する必要がある。ハード整備やインフラを効率良く使うための話しは確かに説得性があるが、効率化や利便性はそのために何かを失う(時には排除する)ことでもある。推進を先導する人はよくよくそこを注意してもらいたい。
先ず、コンパクトシティ化は必然的にインフラが元々整備されている旧市街地の再開発を促すので、一時的に活性化し人も群れるかもしれない。しかし、それは多摩ニュータウンから始まった、人を集めて箱詰にした効率のよい団地生活論と何が違っているのだろうか。そしてそれらは今、どうなっていますか。
次に、効率化のためにこんなに美しくて有用な日本の里山が失われるようなことがあってはいけない。里山は人と自然の、目にみえない曖昧で柔らかな境界線を作っていたのであって、それがないとフェンスを建て「ここから先は危険地域」という看板がたってしまうかもしれない。人が住むから里山は保たれている。

人が住むためには、生活のための利便と、多様な人間性が必要だと思っている。だから人というものに趣旨を持たないイベントはいくら人が集まっても経済志向だけの希薄なものだろう。
そう、今聞こえてくるコンパクトシティ論はそこが希薄なのだ。コンパクトシティ論を語る人は、同時に中山間地域論を併記しなければならないし、当然そういった俯瞰的な視野を持っていなければならない。
だいたい、2000年も掛けて出来上がった固有な地域文化のある大事なまちやむらの再生の話しを、単純なカタカナ語で全国一緒くたにできるはずがない・・。

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