地方(いわき)での建築・デザインを取り巻く環境を内側から見てみます。設計事務所の仕事は設計能力よりも日常への洞察と思慮で成り立っていること、図面の余白に書かれた見えないメッセージなどを紹介します。
2011年05月

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2011年05月19日

■いわきから・・
本物の行為
いよいよ、過去に30km圏域に指定された「久ノ浜」地区の被害調査の
依頼があり、地震以来、初めて入った。
ここの住民は二日間、避難所から自分の町が燃えるのを見ていたそうだ・・。
調査に入っただけだが、他地区にはない緊張感を感じる。
1.jpg
かつて、砂利の海岸で美しかった浜は、沈下により無くなっていた。
2.jpg

さて、いわきは未だ遺体捜索は続いているけれでも、かたや「がれき撤去」が
あちこちで始まり、ご覧のとおり、相当片付きはじめている。
先はまだまだ見えないけれども、次のステップのための準備・・というところ
だろうか。しかし、誤解してはいけない、これは復旧でも復興でもない、
人は何かあった時に、身の廻りをとりあえず片付ける・・というようなものに
私には見える。
それにしても新緑が眩しい・・いや、やっとそのことに気付いた。
先日、気づかっていわきまで来てくださった親族の言葉もそうだったが、
ここ暫くで初めて、固く閉じていた緊張の蓋が開き、染み入るように
感じる。
今回の惨事で目だってマスコミが取り上げる、他人(ひと)への
思いやり・・ということを、改めて感じた。
避難先での親族のいたわりと無償の優しさをも、今、改めて感じ入る・・。
3.jpg

考えてみれば、桜など感じることも、見る気持ちにもなれなかった、
この間だった。
そして、やっと新緑や他人(ひと)の想いによって、
自分を取り戻しつつあるように、思う・・。
人の業などに関係なく確実にめぐってくる自然の風景と、やはり人に
とって生きるために必要な「忘却」の力によって、私たちは
支えられている・・。
4.jpg
毎日、毎日、被災調査や事故処理で疲れていたとき、私の精神は
何をしてバランスしていたのだろうか・・と、考えたとき、一つだけ
楽しみにやっていたことがあった。
毎朝、朝刊の「名人戦」を読んでいた・・。羽生名人と森内九段の
壮絶な戦いが、今、行われている。それが楽しかった。
「本物=真実」の凄さを感じることで、今日また目にしたり感じたりする
だろうということを、薄めていたのかもしれない。
一瞬、本物に出会ったときの読書のように、新聞の棋譜に没頭する
ことができた・・その時間は癒しだったのかもしれない・・と、思う。

地震や津波や、そして原子力事故やその恐怖というのも、ある意味では
負の真実であるならば、毎朝のこの小さな棋譜とコラムは、私にとって
正の真実だったのだろう・・。
「今、何をしてあげれるか・・」「今、何かをしなければならない・・」
という他人(ひと)の感情を、被災地にいるものとして、ありがたいと思う・・。
そしてまた、妙な心の脈絡だけれども、羽生名人と森内九段の修羅のような
戦いの有り様を観戦できることも、あらためてありがたいと思う・・。
このような癒され方をしていることも、またある・・。

被災地の子供たちが、野球やサッカーのゲームを見て、元気になるのと
同じことかもしれない。

そういえば、子供達からたまたまだけれども、数種の山のコミックを
癒しにと贈られた・・。多分、山のスポーツなどの行為自体が本物であり
そのパワーが、何か生きることを伝える・・と、感じたからだろう。

そのよう他人(ひと)の想いや、あらゆる「本物の行為」が、この世には
たくさんあって、
生かされていることに感謝したい・・。

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