地方(いわき)での建築・デザインを取り巻く環境を内側から見てみます。設計事務所の仕事は設計能力よりも日常への洞察と思慮で成り立っていること、図面の余白に書かれた見えないメッセージなどを紹介します。

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2011年04月17日

■いわきから・・
取り壊しのこと・・

毎日、毎日、建物調査と相談で、本当に駆け回っている。
応急危険度判定ではなく、その先へ進まなければならない人達の日常回復
の手伝いだ。
そして現実的には、建物を壊すか、残すか、という選択が迫ってくる。
特に、私は津波被災住宅を廻っているので、単なる地震被害以上の
感情の部分と遭遇することになる。

先ず、津波と地震が同時に起こった・・・。

津波で防波堤ごと町が壊滅した岩間町・・若い頃、ここに黒鯛釣りに来た・・
岩間

津波は橋と小学校への道路をえぐりとった・・永崎小学校への進入路、子供達とこの海岸へよく来たものだ・・
永崎

地震は地面を裂き・・
地割れ

人間が作ったものなど、根こそぎ打ち倒し・・
外灯

沈下して浮き上げ・・
段差

地面をうならせた・・
隆起


さて首題であるが、私の親族の住宅を調査した。
一部が鉄骨であったせいか、殆ど傾斜しておらず、2階は使えて1階の改修で
済みそうだった。
主人は、ふるさとをいとおしみ、解体することを迷っておられた。
何故なら、12日までに決断すれば、行政が解体をしてくれるのである。
自分が築き上げたものを壊したくない・・地域が、ふるさとが好きだ・・
当たり前の感情だ、同じく壮年の私には痛いほど解かる心情だ・・。
3.26 しんたけ
関東に住む娘さんが片付けに戻ってこられて、ここにまた住むことはさせたくない、いや、決して
させない・・という強い気持ちを持っておられた。
主人は、娘さんの決心に迷っておられた・・。

ここに住むことを選んだとしても、実際の復旧にはどれくらいの月日がかかることか・・
あの生々しい津波の酷さと、この風景の惨状を前に、自分の執着するものは何かと・・

ご主人は、解体を決心された・・。

私は、こういう場合に何も言えるものではないが、これまでの経験から
一つだけ娘さんにお話しした。
「お父さんが、急に心の支えを失って、弱ってしまわないように、
注意してあげてください・・」と。
人は長く生きると、住宅はただの建物ではなくてそこに人生の大事なものを
持ってしまっている・・。

しかし、今、思うと、お二人の迷いと決心はそれぞれに正しいことに違いは
ないことだが、もう一つ、恐らく気付いていても言葉には出さなかったであろう
要因があったのだろう・・と、思う。
それは恐らく、自然への畏怖とか人間の地域への愛着とか、全て打ち消してしまう
日常のあらゆる言葉や経験を超えた計り知れない手の付けようがない「恐怖」が、
主人が逡巡したこのふるさとの北方40kmのところに、未だ、うごめいている・・
ということではなかったか・・・。

そう、復興どころか、復旧でもない・・未だ 過程である・・
ただただ今の必要に忙しくして、見てみぬふりをしたいのか・・忘れたいのか・・。
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